せどりの利益、確定申告は必要?開業届・経費・帳簿づけを50代向けに解説
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📚 この記事は、公的機関や公式サイトなど信頼できる情報をもとに、50代の目線で調査・執筆しています。
せどりが軌道に乗ってきたら、次に気になるのが税金
メルカリせどりや電脳せどりを始めて、3ヶ月ほどの収支が見えてくるようになると、次に気になるのが「これって税金はどうなるの?」という疑問です。
この記事は、税務署に対して何をすべきか(申告の要否・開業届・経費・帳簿づけ)を中心にまとめた解説記事です。「会社に副業がバレないか」という不安については、副業は会社にバレる?バレる原因とバレないための対策をやさしく解説で詳しく扱っているので、そちらをご覧ください。
この記事は調査記事です。国税庁の公式情報をもとに、50代の目線でまとめています。実際の税務判断は、お住まいの地域の税務署または税理士にご確認ください。税務の取り扱いは2026年8月時点の情報です。
① そもそも、いくら稼いだら申告が必要なのか
会社員(給与所得者)の場合、年末調整で所得税の精算が完了するため、原則として確定申告は不要です。ただし、給与以外の所得の合計額が年20万円を超える場合は、確定申告が必要になります(国税庁「給与所得で確定申告が必要な方」)。副業(せどり)の所得だけでなく、配当所得や不動産所得など他の所得がある場合は、それらもあわせて合算した金額で判定します。
せどりの「所得」は、売上そのものではなく、売上から仕入れ値や送料などの必要経費を差し引いた金額です。せどりの売上が20万円を超えていても、経費を引いた所得が20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要というケースもあります。
なお、この「20万円以下なら申告不要」というルールは所得税の話であり、住民税の申告は別途必要です。住民税の申告方法(普通徴収への切り替えなど)については、副業は会社にバレる?で詳しく解説しています。
② 「不用品を売っただけ」と「せどり」は税金の扱いが違う
ここが、せどりを始めた方が最も誤解しやすいポイントです。「メルカリで売っただけだから税金はかからない」と思い込んでいる方は少なくありません。
生活用動産の売却は非課税
国税庁のタックスアンサーによれば、家具・衣服・通勤用の自動車など、生活に通常必要な動産を売った場合の所得は非課税とされています(国税庁「譲渡所得の対象となる資産と課税方法」)。使わなくなった家電や着なくなった服をメルカリで売る、というのはこれに当たります。
ただし、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個または1組の価額が30万円を超えるものは非課税の対象外です。高額なブランド品やアクセサリーをまとめて売る場合は注意してください。
仕入れて売る「せどり」は扱いが違う
一方で、同じ国税庁の資料には「事業所得者が商品などの棚卸資産を譲渡した場合の所得は、事業所得となる」という規定もあります。さらに、まだ事業所得者と呼べる規模でない方についても、「(棚卸資産などに該当しない資産を)相当の期間にわたり、継続的に譲渡している場合の所得は、事業所得または雑所得となる」という規定もあります。せどりのように、利益を得る目的で仕入れた商品を反復・継続して販売する行為は、これらの規定にあたり、生活用動産の非課税規定は適用されません。
つまり、
という違いがあります。「メルカリで売った」という行為は同じでも、その商品をどういう目的で手に入れたかによって税金の扱いが変わる、という点をまず押さえておく必要があります。
③ 開業届は出したほうがいいのか
「個人事業の開業・廃業等届出書」(いわゆる開業届)は、新たに事業を開始した個人が税務署に提出する書類です。
提出期限
提出期限は、事業を開始した日の属する年分の確定申告期限までとされています(国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」、所得税法229条)。「開業から1か月以内」という情報を見かけることがありますが、1か月以内と定められているのは、人を雇ったときに提出する「給与等の支払をする事務所の開設等の届出書」(同法230条)のほうです。開業届そのものとは別の届出なので、混同しないようご注意ください。
出す場合・出さない場合
開業届の提出自体に法的な罰則規定はありませんが、提出することで次のような意味があります。
一方で、せどりの規模がまだ小さく、雑所得として申告する範囲にとどまるうちは、開業届を出さずに様子を見るという考え方もあります。
開業届を出すべきかどうかは、事業の規模や継続の見込みによって判断が分かれるところです。 断定的な判断は避け、迷う場合は税務署や税理士に相談することをおすすめします。出す場合は、画面の質問に答えるだけで書類を作成できるサービスもあります。
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④ せどりで経費になるもの
必要経費として認められるのは、総収入金額に対応する売上原価と、その年に生じた業務上の費用です(国税庁「必要経費の知識」)。せどりの場合、次のようなものが経費の対象として考えられます。
梱包材の具体的な選び方はせどりの仕入れ先はどこがいい?、道具についてはせどり初心者の必須道具10選にまとめています。
家事用と業務用が混在する費用(自宅の通信費など、「家事関連費」といいます)は、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合の、その区分できる金額に限り経費にできます(国税庁「必要経費の知識」)。「なんとなく半分くらい」といった曖昧な区分ではなく、業務に使った時間や割合を記録して、根拠を示せるようにしておくことが大切です。
⑤ 白色申告と青色申告の違い
確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。
| 白色申告 | 青色申告 | |
|---|---|---|
| 事前の届出 | 不要 | 「青色申告承認申請書」の提出が必要 |
| 特別控除 | なし | 最高10万円(複式簿記+電子申告等で最高55万円・65万円) |
| 帳簿の付け方 | 簡易な帳簿でOK | 簡易な帳簿(10万円控除)または複式簿記(55万円・65万円控除) |
青色申告の特別控除額は、複式簿記で記帳し、貸借対照表・損益計算書を添付した場合は最高55万円、さらに電子帳簿保存またはe-Taxによる電子申告を行っている場合は最高65万円になります。一方、現金出納帳や経費帳のような簡易な記帳でも、最高10万円の控除は受けられます(国税庁「青色申告制度」)。
青色申告を始めたい場合、「青色申告承認申請書」の提出期限は原則としてその年の3月15日まで、その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は事業開始日から2か月以内です(同上)。
つまり、青色申告は白色申告と同じ簡易な記帳のままでも10万円の控除を受けられ、そこからさらに複式簿記に挑戦すれば控除額が55万円・65万円まで伸びる、という段階になっています。
⑥ 帳簿づけをどうするか
青色申告特別控除のうち、最高55万円(電子申告等で65万円)を受けるには複式簿記による記帳が必要です。簡易な記帳でも最高10万円の控除は受けられますが、控除額の差は大きいため、複式簿記に挑戦する価値はあります。ただ、手作業で複式簿記をつけるのは、慣れていないとハードルが高く感じられます。
そこで選択肢になるのが、クラウド会計ソフトです。freee・マネーフォワード クラウド確定申告・やよいの青色申告オンラインなど、青色申告に対応したサービスが複数あります。銀行口座やクレジットカードの明細を取り込んで自動で仕訳を作成する機能を持つソフトが多く、簿記の知識がなくても複式簿記の帳簿を作成しやすくなっています。
代表的なサービスの料金プランの一例(表示価格はすべて税抜き。2026年8月時点、各社公式サイトで確認・変更される可能性があります):
| サービス | プラン例 | 料金の目安 | 確定申告書の作成 |
|---|---|---|---|
| マネーフォワード クラウド確定申告 | パーソナルミニ | 900円/月〜(年払い) | 青色・白色ともに対応(全プラン共通) |
| freee会計 | スタータープラン | 980円/月〜(年払い) | 全プランで確定申告書の作成・提出に対応 |
| やよいの青色申告 オンライン | セルフプラン | 無料期間終了後 年額11,800円(現在1年間無料キャンペーン中) | 青色申告に対応(全プラン共通) |
マネーフォワード・freeeは、プランによる違いが消費税申告やサポート内容などで、確定申告書の作成自体はどのプランでも利用できます。やよいの青色申告 オンラインは、プランの違いがサポート内容のみで、機能自体はすべてのプランで共通です。
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よくある質問
Q. メルカリの利益は必ず確定申告が必要ですか?
A. 自宅の不用品を売っただけなら、原則非課税で申告不要です。仕入れて利益目的で反復・継続して販売している場合は、所得に応じて申告が必要になることがあります。所得の金額や状況によって判断が分かれるため、詳しくは税務署にご確認ください。
Q. せどりの所得は事業所得ですか、雑所得ですか?
A. 明確な金額基準による線引きはなく、事業としての規模・継続性・独立性などから総合的に判断されます。一般的には、副業として小規模に行っている段階では雑所得、本格的・継続的に行っている場合は事業所得として扱われることが多いとされていますが、最終的な判断は税務署・税理士にご確認ください。
Q. 開業届を出さないとどうなりますか?
A. 開業届を出さないこと自体への罰則規定はありません。ただし、青色申告の特別控除を受けるには、開業届と青色申告承認申請書の両方の提出が前提になります。
Q. 経費の領収書はどのくらい保管しておけばいいですか?
A. 帳簿や書類の保存期間は申告方法によって異なります(青色申告は原則7年など)。詳しくは国税庁の案内をご確認ください。
まとめ:まずは「いくら儲かっているか」を把握することから
1. 給与以外の所得が年20万円を超えたら、所得税の確定申告を検討する(住民税は別途申告が必要)
2. 「不用品を売る」と「仕入れて売る」は税金の扱いが違う。 せどりは棚卸資産の譲渡にあたり、生活用動産の非課税規定は適用されない
3. 開業届は事業を開始した年分の確定申告期限までに提出(提出は必須ではないが、青色申告の前提になる)
4. 仕入れ値・送料・梱包材・手数料・道具などは経費にできる
5. 青色申告は簡易な記帳でも最高10万円、複式簿記なら最高55万円(電子申告等で65万円)の特別控除がある
6. 帳簿づけは、複式簿記に対応したクラウド会計ソフトを使うと負担が減る
せどりを始めたばかりの頃は、「仕入れて売る」ことに意識が向きがちですが、利益が出はじめたら、今どのくらい儲かっているのかを把握することが最初の一歩です。まずは仕入れ値・売上・経費を記録する習慣から始めてみてください。
税務の取り扱いは個々の状況によって異なります。実際の判断は、お住まいの地域の税務署または税理士にご確認ください。